イジワル御曹司と花嫁契約
胡桃は、俺の父親と母親を結婚式に呼ぶことに肯定派だ。


母親と兄弟は、これを機会に絶対に会うべきだと強く言っている。


父親は、こちらからは呼んで、来る来ないは本人に任せたらいいと言っている。


『お義父さんは確かに傍若無人なところがあったかもしれないけど、根っからの悪人ではないように感じたよ。

酷いことをやってきたのかもしれないけど、きっと今は反省していると思う』


 胡桃はそんな風に言っていたけれど、積年の恨みや嫌悪感がなくなったわけではない。


今まで彼のせいでどれだけの我慢と犠牲を払ってきたか。


なかなか感情が許してはくれない。



 けれど、これもまた越えなくてはならない壁なのだろう。


胡桃のウェディングドレス姿を見るためなら我慢しよう。
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