壊れるほど抱きしめて




アパートに着き車を降りて、階段を登って坂木くんの部屋の前に着いた。


坂木くんは鍵を開け、玄関の扉を開けるなり私の腕を強引に掴んで中に入れた。


「さ、坂木くっ……」


そう言いかけた私の唇を彼は塞ぐ。
怒りをぶつけるかのようにキスをする。


そのままベッドに連れて行かれ、再び噛み付くようなキスをされた。


私は拒否する事なく彼のキスを受け入れる。
彼の苦しみも、悲しみも、怒りも、全て私にぶつけても構わない。
それで彼が少しでも楽になるのなら……。


彼は私の服を捲り上げ、下着を剥ぎとると、露になった膨らみを刺激する。


「あっ……」


私の口から甘い吐息が漏れる。


すると坂木くんは急に、私の体から離れた。


「どうして俺を受け入れるんだ!もっと嫌がって俺を拒否しろよっ!クソッ……」


そう言った坂木くんは壁を殴った。


きっと彼は殴った手よりも、もっと心の方が痛いはずだ。


「悪いけど……今日は帰ってくれ」


「うん……」


私は下着を付けて服を綺麗に戻すと、自分の部屋に戻った。





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