壊れるほど抱きしめて
暫くして落ち着いた父親は、私に手紙を差し出した。
「君も読むか?」
「いいんですか?」
「ああ……」
私は手紙を手に取り読んだ。
『お父さん、お母さんへ
この手紙を見ていると言うことは、私はこの世には居ないと言う事ですね。
弱虫な私でごめんなさい。
きっと日記を見つけて、イジメがあった事がわかったよね?
誰がそうしてるのかもわからず、最初は気にしないようにしていた。
だけど毎日の嫌がらせに精神的に追い詰められて、仲良しな友達ですら言えなかったし、何処かでその友達ですら疑ってしまう自分も嫌になった。
お父さんとお母さんには心配かけたくなくて、いつも笑顔で居た。
聖也の前でも明るく笑顔でいたのも心配かけたくなかった。
イジメに負けないつもりで居たけど疲れちゃった……。
こんな私を許してください。
お父さん、お母さん、ありがとう。
そして最後に……
聖也を恨んだりしないで?
聖也が悪いんじゃないし、私は聖也が大好きだから。
約束だよ?
もしまた生まれ変わる事ができるなら、来世もお父さんとお母さんの子供に生まれたい。
そして今度はもっと強い人になりたい。
幸せでした、ありがとう。
そしてさよなら……』
一枚目の手紙を読んで、涙が溢れた。
そして二枚目の手紙を見るとそれは、坂木くんへ宛てた手紙だった。