壊れるほど抱きしめて
『聖也へ
この手紙を見ていると言うことは、私はこの世にはいません。
私がもっと強い人間だったら良かったけど、私は弱かった。
だけど最後まで聖也と居る時は、本当に幸せでした。
辛くて悲しくても、聖也の笑顔が私の救いでした。
もっと、もっと、一緒に居たかった。
優しく微笑む顔も、抱きしめてくれる腕も、温かい手の温もりも、聖也の全てが大好きで、愛してたよ。
聖也を好きになって、一緒に居た時間は私にとって特別な時間でした。
私は居なくなっちゃったけど、聖也の笑顔が大好きだからいつも笑顔で居てね?
いい人が居たら私の事は気にせずに、付き合って結婚だってしていいんだからね?
本当は私が聖也と結婚したかったけど、それはいつか生まれ変わったら、また聖也と出会って恋をするからその時まで取っておく。
もっと強くなって、聖也が離したくないくらい良い女になってるから楽しみにしててね?
それから最後に約束してくれる?
もし、私を愛してくれてたなら悲しまないで聖也には笑ってて欲しい。
じゃなきゃ生まれ変わっても聖也と付き合ってあげないからね?
そしてーー
私の分まで幸せになって、結婚したいと思う人が現れたらその人を幸せにしてあげて!
約束だよ?
最後に……聖也、ありがとう』
そう書いてあって、私は涙が止まらなかった。
やっぱり私はかおりさんには敵わないな。
だってこんなにもかおりさんは坂木くんを愛していたんだから。