INFINITY〜貴方がくれた意味〜
一樹side
「あいつ変わったな……。」
笑美は母親がなくなった後、酷いショックで
立ち直ることが出来なかった。
さらに追い打ちをかけるようにとある事件が起きた。
その事件から笑美は蓮華を抜け、感情を消した。
「一樹、もし笑美に何かあったらお願いね。」
笑美の母、麻莉愛(マリア)さんと最後に交わした言葉。
まるで自分が死ぬことをわかっていて、
自分が死んだ後に笑美がどうなるのかも想像がついていたんだ。
でも笑美は過去のことを誰にもきっと話していない。
あいつは全てひとりで解決しようとする性格だからな。
「笑美、お前は1人じゃねぇぞ。俺や秋、蓮華のやつらもお前のこと仲間だと思ってるんだぞ。」
このことは笑美は気づいていない。
この思いが届かなくても、
いつか笑美がわかってくれるのならそれまで気長に待ってやろう。
昔みたいによく笑う可愛い女の子に戻ってくれるまで。