イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?

「はあ！？マジかよ日浦！」
「お相手は！？日浦くんって彼女いたんだ！」
「おめでとー！式の日取りは決まったの？」


社員たちが一斉にどよめく。

騒々しい祝福の声や矢継ぎ早の質問に、日浦は「えと、ありがとうございます！お相手はみなさんも知ってる人です」照れたように頭を掻きながら、勿体振った言い方をした。


「てことは、相手はこの会社の子か！？」


一人の男の先輩が叫んだ大声は、ほぼ満席の社員食堂中に大きく響いた。

こんなに注目を浴びるのは予想外だったのか、日浦は困惑した笑顔で周囲を見渡したので、真向きに座る私とも自然と目が合った。
箱入りのチョコレートを開封しようとしていた私は、その作業を停止し、周りの反応を慌ただしく確認する。


「誰だよ、日浦の結婚相手って！」


先輩が急かした。
心臓が、どくんと高鳴る。


「俺の結婚相手は＿＿、」


ドキドキして、両手が小刻みに震えた。


「総務部の……」


鼓動はもう、ドラムロールのような速さで。


「秘書課の角倉さんです。」


……え？


「マジかよ！ミスコンで入賞したあの角倉！？」
「やるなぁ～日浦！あんな綺麗な子が奥さんになるだなんて、羨ましいわ」


瞬きが、出来なかった。