うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜
そんなことを思っていると、了弥が言った。
「朝日、ついに買ったらしいぞ、レッドイグアナ」
「え?」
「指をカプッとやられないように気をつけろ」
と言われる。
ははは、と笑うと、
「俺も飼おうかな」
と言ってくる。
「えっ、なんでっ?」
「お前がまた、うっかりなことしたら、お前の指をカプッとやるように」
「じゃあ、私は、また貴方がなにかしらばっくれようとしたら、貴方の家のトイレットペーパーにバーカって書くわ」
莫迦か、と了弥は言った。
「俺の家もお前の家も同じだろうが」
そう言われ、笑ってしまう。
瑞季はキーケースから自分の家の鍵を外した。
「返す前に落とすなよ」
「大丈夫大丈夫」
だから、お前の大丈夫は不安なんだって……と言う了弥の愚痴を聞きながら、二人並んで、エレベーターを降りた。
完
「朝日、ついに買ったらしいぞ、レッドイグアナ」
「え?」
「指をカプッとやられないように気をつけろ」
と言われる。
ははは、と笑うと、
「俺も飼おうかな」
と言ってくる。
「えっ、なんでっ?」
「お前がまた、うっかりなことしたら、お前の指をカプッとやるように」
「じゃあ、私は、また貴方がなにかしらばっくれようとしたら、貴方の家のトイレットペーパーにバーカって書くわ」
莫迦か、と了弥は言った。
「俺の家もお前の家も同じだろうが」
そう言われ、笑ってしまう。
瑞季はキーケースから自分の家の鍵を外した。
「返す前に落とすなよ」
「大丈夫大丈夫」
だから、お前の大丈夫は不安なんだって……と言う了弥の愚痴を聞きながら、二人並んで、エレベーターを降りた。
完