うっかり姫の恋 〜部屋の鍵、返してくださいっ!〜
一昨年くらいから、業績次第では、若くても役職に登用されることになった。
そのモデルケース的に、各支社で、一人ずつ優秀な人材が役職つきになったのだが。
彼もその一人だった。
黒髪の美しい風貌はとても好みなのだが、なんせ、『真島課長』は性格が悪すぎる。
っていうか、貴方、何故、私の真後ろで、回覧を読んでるんですか。
ぱらりと落ち着いた様子で紙をめくっている音がするのですが、私はとてもとても落ち着かないのですが、と瑞季が固まっていると、
「み……相楽」
といきなり呼ばれた。
はい、と返事をする。
「これを隣りに回して来い」
ちょっと待て、印鑑押してくるから、とようやく自分の席に戻っていってくれた。
ほっとしたが、どのみち、回覧をもらいに行かなければならない。
なにもしなくても、怒られそうな気配に、そうっと彼の許に行くと、
「ほら」
と回覧を突き出してきたが、それをつかんでも、何故か了弥は離さない。
そのモデルケース的に、各支社で、一人ずつ優秀な人材が役職つきになったのだが。
彼もその一人だった。
黒髪の美しい風貌はとても好みなのだが、なんせ、『真島課長』は性格が悪すぎる。
っていうか、貴方、何故、私の真後ろで、回覧を読んでるんですか。
ぱらりと落ち着いた様子で紙をめくっている音がするのですが、私はとてもとても落ち着かないのですが、と瑞季が固まっていると、
「み……相楽」
といきなり呼ばれた。
はい、と返事をする。
「これを隣りに回して来い」
ちょっと待て、印鑑押してくるから、とようやく自分の席に戻っていってくれた。
ほっとしたが、どのみち、回覧をもらいに行かなければならない。
なにもしなくても、怒られそうな気配に、そうっと彼の許に行くと、
「ほら」
と回覧を突き出してきたが、それをつかんでも、何故か了弥は離さない。