最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「私、あの、本当に……」
その複雑な思いをなんと言葉にすればいいのかわからず、口籠るばかり。
戸惑う私を見つめるモネグロス様の金色の目が、優しく細められた。
「力の暴走を心配しているのであれば、それは無用です。キアラには、世界に影響を及ぼすほどの強い力はありません」
「……」
「どうしても必要な場合が生じたなら、そのときは私が必ず対応すると約束しましょう。私はこれからもずっと、あなたたちを見守っていますから」
「でも……」
「さあ、お行きなさい」
気持ちの整理がつかずにグズグズしている私を、モネグロス様が促す。
私はそれ以上なにも言えずにエヴルたちの元へ移動した。
「イフリート、ノーム、ふたりをお願いね?」
「キアラ、エヴルよ、どうか忘れないでください。私たちはこれからもあなたたちを見守っています。ずっとずっと見守っていますからね?」
「ありがとうございますモネグロス様、アグア様」
エヴルに手を引かれながら飛び石を渡って、私は水のカーテンに近づいていく。
後ろ髪を引かれる思いで振り返ると、モネグロス様とアグア様が涙ぐみながら見送ってくれていた。
もう一度お礼を言おうと思ったけれど、上から叩き付けるような水の幕をくぐった瞬間、その姿は幻のように消えて見えなくなってしまった。
その複雑な思いをなんと言葉にすればいいのかわからず、口籠るばかり。
戸惑う私を見つめるモネグロス様の金色の目が、優しく細められた。
「力の暴走を心配しているのであれば、それは無用です。キアラには、世界に影響を及ぼすほどの強い力はありません」
「……」
「どうしても必要な場合が生じたなら、そのときは私が必ず対応すると約束しましょう。私はこれからもずっと、あなたたちを見守っていますから」
「でも……」
「さあ、お行きなさい」
気持ちの整理がつかずにグズグズしている私を、モネグロス様が促す。
私はそれ以上なにも言えずにエヴルたちの元へ移動した。
「イフリート、ノーム、ふたりをお願いね?」
「キアラ、エヴルよ、どうか忘れないでください。私たちはこれからもあなたたちを見守っています。ずっとずっと見守っていますからね?」
「ありがとうございますモネグロス様、アグア様」
エヴルに手を引かれながら飛び石を渡って、私は水のカーテンに近づいていく。
後ろ髪を引かれる思いで振り返ると、モネグロス様とアグア様が涙ぐみながら見送ってくれていた。
もう一度お礼を言おうと思ったけれど、上から叩き付けるような水の幕をくぐった瞬間、その姿は幻のように消えて見えなくなってしまった。