最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「キアラ様、私はずっとあなた様のお側におります。いついかなる、どんな時でも、必ずやキアラ様を守り続けると誓います」
エヴルの胸に頬を預け、私は何度も何度もうなづいた。
この胸に誓った想いを、私もエヴルも生涯守り続ける。
近くて遠い場所から見守ってくれている存在を信じながら。
涙に濡れた顔を上げて、私は窓から空を見上げた。
青空に浮かんだ、あんなにも大きくて真っ白な雲を風が悠々と運んでいく。
この涙もきっとすぐに、風が乾かしてくれることだろう。
彼らが見守ってくれているのなら、私はいつまでも泣きはしない。
立ち止まってはならない。
私は思いのままに、信じるままに、望みを叶える誇り高い風になろう。
火や、土や、水や、黄金のように輝く太陽のもとで、愛するエヴルの隣で彼を守り続けよう。
そしてきっと私たちは、次の世界になにかを繋げていくんだ。
「キアラ様、私たちはここから始まるのです」
「ええ、エヴル」
「……とりあえず、着替えから始めましょうか」
「あ、そういえば私、夜着のままだった」
私とエヴルは顔を見合わせ、ふふっと笑い合った。
バルコニーから吹く風が、祝福するように私たちの髪を撫でて通り抜けていく。
ここから始まる。
神話の時代に始まった物語が、またここから始まる。
私は誇り高い風を継ぐ者として、胸を張ってこの世界で生きていく。
どうか見ていてください。
モネグロス様、アグア様。
イフリート様、ノーム様。
そして……ジン様と、ジン様の愛した人。
私たちはしっかりと手を繋いで、今日を始めるための一歩を踏み出した。
【END】
エヴルの胸に頬を預け、私は何度も何度もうなづいた。
この胸に誓った想いを、私もエヴルも生涯守り続ける。
近くて遠い場所から見守ってくれている存在を信じながら。
涙に濡れた顔を上げて、私は窓から空を見上げた。
青空に浮かんだ、あんなにも大きくて真っ白な雲を風が悠々と運んでいく。
この涙もきっとすぐに、風が乾かしてくれることだろう。
彼らが見守ってくれているのなら、私はいつまでも泣きはしない。
立ち止まってはならない。
私は思いのままに、信じるままに、望みを叶える誇り高い風になろう。
火や、土や、水や、黄金のように輝く太陽のもとで、愛するエヴルの隣で彼を守り続けよう。
そしてきっと私たちは、次の世界になにかを繋げていくんだ。
「キアラ様、私たちはここから始まるのです」
「ええ、エヴル」
「……とりあえず、着替えから始めましょうか」
「あ、そういえば私、夜着のままだった」
私とエヴルは顔を見合わせ、ふふっと笑い合った。
バルコニーから吹く風が、祝福するように私たちの髪を撫でて通り抜けていく。
ここから始まる。
神話の時代に始まった物語が、またここから始まる。
私は誇り高い風を継ぐ者として、胸を張ってこの世界で生きていく。
どうか見ていてください。
モネグロス様、アグア様。
イフリート様、ノーム様。
そして……ジン様と、ジン様の愛した人。
私たちはしっかりと手を繋いで、今日を始めるための一歩を踏み出した。
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