最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「ど……な……えぇ!?」
「驚かれましたか? これは砂漠というものだそうです」
「砂漠!? これが!?」
私は両目を限界まで大きく見開いて、目の前の現実を見た。
砂漠という、砂しか存在しない摩訶不思議な場所がこの世に存在するって、精霊家の屋敷を訪れる流れ者の商人から聞いたことはある。
けれど正直言って、これっぽっちも信じてはいなかった。
怪しげな商品を売りつけるためのホラ話だとばかり思って、思いっきり鼻で笑って聞いていたのに。
しかも改めて自分がいる状況をよく確認してみれば、いま私がいる場所も、なかなか変わった部屋だった。
天井と、壁と、床の色が、まるで卵のように真っ白。
私が横になっているベッドと枕以外は家具らしい家具もなく、そのふたつも、ただただ真っ白。
壁の一面全体が大きな窓になっていて、その向こうには果てなく続く砂漠が広がっている。
奥行の感覚を狂わせるような部屋の白さと、逆に世界の彼方を思わせる砂漠の黄色のコントラストが目に沁みた。
「も、ものすごく殺風景で不思議な部屋ね」
「殺風景なのは、つい先ほど私たちのために生み出したばかりの部屋だからだそうです」
「部屋を生み出した? 誰が?」
「善神モネグロス様です」
「驚かれましたか? これは砂漠というものだそうです」
「砂漠!? これが!?」
私は両目を限界まで大きく見開いて、目の前の現実を見た。
砂漠という、砂しか存在しない摩訶不思議な場所がこの世に存在するって、精霊家の屋敷を訪れる流れ者の商人から聞いたことはある。
けれど正直言って、これっぽっちも信じてはいなかった。
怪しげな商品を売りつけるためのホラ話だとばかり思って、思いっきり鼻で笑って聞いていたのに。
しかも改めて自分がいる状況をよく確認してみれば、いま私がいる場所も、なかなか変わった部屋だった。
天井と、壁と、床の色が、まるで卵のように真っ白。
私が横になっているベッドと枕以外は家具らしい家具もなく、そのふたつも、ただただ真っ白。
壁の一面全体が大きな窓になっていて、その向こうには果てなく続く砂漠が広がっている。
奥行の感覚を狂わせるような部屋の白さと、逆に世界の彼方を思わせる砂漠の黄色のコントラストが目に沁みた。
「も、ものすごく殺風景で不思議な部屋ね」
「殺風景なのは、つい先ほど私たちのために生み出したばかりの部屋だからだそうです」
「部屋を生み出した? 誰が?」
「善神モネグロス様です」