最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「キアラ様、あちらにイフリート様とノーム様が」
エヴルの声に目を開けると、泉の飛び石の上に立つ、ふたつの人影が見える。
いえ、あれは『人』ではない。
この美しい庭に相応しいあの赤と緑の存在こそ、建国神話の精霊なんだわ。
イフリート様とノーム様が私とエヴルに気づいて、飛び石を渡ってこちらに近づきながら話しかけてきた。
「キアラさん! 気がついたんですね!」
「無事でなにより。キアラよ」
私は慌ててその場にひざまずき、緊張でガチガチになりながら、おふた方を迎えてご挨拶をした。
「こ、この命を救っていただき、感謝の言葉もございません! さらにこれまでの非礼の数々も、心よりお詫び申しあげます!」
「キアラさん? 急にどうしたんですか? へんな言葉づかいして」
不思議そうにそう言われて、グッと言葉に詰まった。
ごく一般的な口上を『へんな言葉』と言われてしまって、普段自分がどれだけ無礼千万だったかと思うと、血の気が引く。
背中にダラダラ冷や汗をかきながら、ひたすら弁明に務めた。
「あの、まさかおふた方が建国神話の精霊様だとは、夢にも思わなかったと言いますか、そんなバカなと申しましょうか……」
「あ、やっぱりぜんぜん気づいてなかったですか? うふ」
エヴルの声に目を開けると、泉の飛び石の上に立つ、ふたつの人影が見える。
いえ、あれは『人』ではない。
この美しい庭に相応しいあの赤と緑の存在こそ、建国神話の精霊なんだわ。
イフリート様とノーム様が私とエヴルに気づいて、飛び石を渡ってこちらに近づきながら話しかけてきた。
「キアラさん! 気がついたんですね!」
「無事でなにより。キアラよ」
私は慌ててその場にひざまずき、緊張でガチガチになりながら、おふた方を迎えてご挨拶をした。
「こ、この命を救っていただき、感謝の言葉もございません! さらにこれまでの非礼の数々も、心よりお詫び申しあげます!」
「キアラさん? 急にどうしたんですか? へんな言葉づかいして」
不思議そうにそう言われて、グッと言葉に詰まった。
ごく一般的な口上を『へんな言葉』と言われてしまって、普段自分がどれだけ無礼千万だったかと思うと、血の気が引く。
背中にダラダラ冷や汗をかきながら、ひたすら弁明に務めた。
「あの、まさかおふた方が建国神話の精霊様だとは、夢にも思わなかったと言いますか、そんなバカなと申しましょうか……」
「あ、やっぱりぜんぜん気づいてなかったですか? うふ」