最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
「……ええ、実はエヴルさんはヴァニス王の血を引く、正統な王位継承者です」
大きなため息をつきながら、観念したようにアグア様が白状した。
「ごめんなさいエヴルさん。いままでずっと秘密にしていて。どうか私たちを許してください」
「……」
謝罪するアグア様を、エヴルは両目を大きく見開いたまま見つめているだけだ。
完全に混乱して声を失い、身じろぎもできずにいるエヴルを憐れむように、精霊様たちがじっと見守っている。
私も、なにがなんだか……。
あんまりにも意外な展開すぎて、頭がついていかない。
ひとり空気を読まないモネグロス様が、明るい声で嬉しそうにエヴルに話しかけていた。
「エヴルよ、あなたは我らが盟友ヴァニスに生き写しですね。あの誇り高く、誠実で、慈悲深かった彼の勇姿は、今もなお私の目に焼き……焼き、つい、て……うぅぅー!」
言葉に詰まったかと思うと、モネグロス様はまた勢いよく涙をドワーッと流した。
エグエグしゃくり上げて言葉にならない神様の代わりに、イフリート様が言葉を続ける。
「本来ならば、エヴルはあの炎に焼かれて死んでいたはず。だが我がその事象に介入せり。情に負け、大きな禁を犯してしまった」
「だからもうこれ以上は、なにがあってもぜったい、介入しないようにきめてたんです。キアラさんのせいりゃく結婚についても……」
大きなため息をつきながら、観念したようにアグア様が白状した。
「ごめんなさいエヴルさん。いままでずっと秘密にしていて。どうか私たちを許してください」
「……」
謝罪するアグア様を、エヴルは両目を大きく見開いたまま見つめているだけだ。
完全に混乱して声を失い、身じろぎもできずにいるエヴルを憐れむように、精霊様たちがじっと見守っている。
私も、なにがなんだか……。
あんまりにも意外な展開すぎて、頭がついていかない。
ひとり空気を読まないモネグロス様が、明るい声で嬉しそうにエヴルに話しかけていた。
「エヴルよ、あなたは我らが盟友ヴァニスに生き写しですね。あの誇り高く、誠実で、慈悲深かった彼の勇姿は、今もなお私の目に焼き……焼き、つい、て……うぅぅー!」
言葉に詰まったかと思うと、モネグロス様はまた勢いよく涙をドワーッと流した。
エグエグしゃくり上げて言葉にならない神様の代わりに、イフリート様が言葉を続ける。
「本来ならば、エヴルはあの炎に焼かれて死んでいたはず。だが我がその事象に介入せり。情に負け、大きな禁を犯してしまった」
「だからもうこれ以上は、なにがあってもぜったい、介入しないようにきめてたんです。キアラさんのせいりゃく結婚についても……」