最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
燃えあがるように熱い胸の皮膚に涼しい夜の空気を感じて、自分のしどけない姿を実感する。
頭と心臓が破裂しそうなほど恥ずかしくて恥ずかしくて堪らないのに、魔法にかけられたように動けない。
どうしよう。どうしよう。どうしよう……!
エヴルは熱に浮かされたような目で、私の露わになった胸をじっと見つめて、コクリと小さく喉を鳴らした。
「あなたのすべてを俺のものにしてしまいたい。もう髪の毛一本たりとも、ほかの男には渡さない!」
自分のシャツを乱暴に脱ぎ捨てながら、彼が私の体に覆い被さった瞬間……。
「きゃああぁぁーーーー!」
絹を裂くような甲高い悲鳴が響きわたった。
とっさに私もエヴルもガバッと跳ね上がり、目を丸くしてお互いの顔を見つめ合う。
「……いまの悲鳴は?」
「わ、私じゃないわよ!? 違うからね!」
「じゃあいったい、誰が……」
「おお、ノームよ! 我が妻よ!」
イフリート様の切羽詰まった大声が聞こえてきて、慌てて砂漠の方へ目をやると、とんでもないものが目に飛び込んできた。
なんと、悲鳴をあげながら駆け回っているノームさまの髪の毛全体に火がついて、もうもうと煙が上がっている。
頭と心臓が破裂しそうなほど恥ずかしくて恥ずかしくて堪らないのに、魔法にかけられたように動けない。
どうしよう。どうしよう。どうしよう……!
エヴルは熱に浮かされたような目で、私の露わになった胸をじっと見つめて、コクリと小さく喉を鳴らした。
「あなたのすべてを俺のものにしてしまいたい。もう髪の毛一本たりとも、ほかの男には渡さない!」
自分のシャツを乱暴に脱ぎ捨てながら、彼が私の体に覆い被さった瞬間……。
「きゃああぁぁーーーー!」
絹を裂くような甲高い悲鳴が響きわたった。
とっさに私もエヴルもガバッと跳ね上がり、目を丸くしてお互いの顔を見つめ合う。
「……いまの悲鳴は?」
「わ、私じゃないわよ!? 違うからね!」
「じゃあいったい、誰が……」
「おお、ノームよ! 我が妻よ!」
イフリート様の切羽詰まった大声が聞こえてきて、慌てて砂漠の方へ目をやると、とんでもないものが目に飛び込んできた。
なんと、悲鳴をあげながら駆け回っているノームさまの髪の毛全体に火がついて、もうもうと煙が上がっている。