最悪な政略結婚を押しつけられましたが、漆黒の騎士と全力で駆け落ち中!
そのとんでもない事態にたまげた私とエヴルは、バルコニーから身を乗り出して叫んだ。
「ノーム様! い、いかがなされたのですか!?」
「なんで頭が山火事になってるの!?」
「きゃー! きゃー! あついー!」
「ノ、ノームよ、すまぬ! ひ、久しぶりだったもので、つい燃え上がりすぎてしまったのだ!」
「燃え上……! ちょっとイフリート様! いくら火の精霊だからって、あなたさすがにそれはないでしょ!?」
「キアラ様! 水! どこかに水はありませんか!?」
「砂漠に水なんかあるわけないでしょ!?」
「おおぉー! ノーム! 我が愛しの妻よぉ!」
「自分で火ぃ点けといて、なにが『愛しの妻』よ! アグア様! アグア様、緊急事態です! 水! 水くださいー!」
「ノーム様! とにかく砂の上を転がってください! 早く!」
「うわあぁーん! 燃え尽きちゃいますー!」
もう、上を下への大騒ぎ。
大惨事になる寸前、アグア様が大慌てで飛んできて、ノーム様の火をすぐに消してくれた。
騒ぎが一段落して全員、腹の底から息を吐き出しながら脱力してしまう。
そしてその後イフリート様は、激怒したアグア様にたっぷり絞られていた。
「まったくイフリートったら、相変わらず加減を知らないんだから! ところでエヴルさんもキアラさんも、こんな遅い時間になにをしているの!? しかもエヴルさんたら上半身裸で!」
「え!? あ、いえ、それは……」
「ゆっくり休みなさいと言ったでしょう!? さあ、みんな早く自分の部屋へ戻りなさい! エヴルさんもすぐ服を着て! 風邪をひきますよ!?」
「は、はい……」
イフリート様はもちろんだけど、エヴルもガックリ気落ちしながら自分の部屋へトボトボ戻って行く。
ホッとしたけれど、その哀愁漂う後ろ姿を見たら、少し可哀そうな気がした。
そしてちょっとだけ残念だったような気もして、その複雑な心境に、私は密かに顔を赤らめていた……。
「ノーム様! い、いかがなされたのですか!?」
「なんで頭が山火事になってるの!?」
「きゃー! きゃー! あついー!」
「ノ、ノームよ、すまぬ! ひ、久しぶりだったもので、つい燃え上がりすぎてしまったのだ!」
「燃え上……! ちょっとイフリート様! いくら火の精霊だからって、あなたさすがにそれはないでしょ!?」
「キアラ様! 水! どこかに水はありませんか!?」
「砂漠に水なんかあるわけないでしょ!?」
「おおぉー! ノーム! 我が愛しの妻よぉ!」
「自分で火ぃ点けといて、なにが『愛しの妻』よ! アグア様! アグア様、緊急事態です! 水! 水くださいー!」
「ノーム様! とにかく砂の上を転がってください! 早く!」
「うわあぁーん! 燃え尽きちゃいますー!」
もう、上を下への大騒ぎ。
大惨事になる寸前、アグア様が大慌てで飛んできて、ノーム様の火をすぐに消してくれた。
騒ぎが一段落して全員、腹の底から息を吐き出しながら脱力してしまう。
そしてその後イフリート様は、激怒したアグア様にたっぷり絞られていた。
「まったくイフリートったら、相変わらず加減を知らないんだから! ところでエヴルさんもキアラさんも、こんな遅い時間になにをしているの!? しかもエヴルさんたら上半身裸で!」
「え!? あ、いえ、それは……」
「ゆっくり休みなさいと言ったでしょう!? さあ、みんな早く自分の部屋へ戻りなさい! エヴルさんもすぐ服を着て! 風邪をひきますよ!?」
「は、はい……」
イフリート様はもちろんだけど、エヴルもガックリ気落ちしながら自分の部屋へトボトボ戻って行く。
ホッとしたけれど、その哀愁漂う後ろ姿を見たら、少し可哀そうな気がした。
そしてちょっとだけ残念だったような気もして、その複雑な心境に、私は密かに顔を赤らめていた……。