タカラモノ~彼等に会えたそれは必然~
「……。行ってきます!」
そんな私の声だけが誰もいない家に響いた…。
ここから学校は遠くは無くて、歩いてだいたい30分。
ホントは高校なんて通うつもりなかったんだぁ。
こんな私だけど飛び級して有名な大学を首席で卒業してるからね♪
とあることがきっかけで通うことになったの!
まぁ、私のことはまたいずれ話すとして…。
私歩くの早かったかな、もう着いちゃったや。
……うん。あの人ごみの中にクラス表があるんだと思う…。
見に行かないとクラスにすらいけないからね!うん!
行きますかぁ。
一つため息をついて私はクラス表を見に行くため人の集まるそこに近づく。
クラス表のある所にたどり着けば何かいろいろな人に見られてる気がする。
まぁ、気のせいかな??
そして何故か私一人が通れそうな道が出来た。
ん?何でみんな道を開けてくれたのかな…?
いろいろ疑問に思うことはあるのだけど
あの人ごみに入って行くのは少し億劫だったので助かった!
とりあえずありがたく思いながらその道を通る。
えぇーっと?Aクラスか。
んじゃ行くかぁ…
クラス表から少し離れたところで
あ、そういえば今日テストあったっけ?
何てふと思う。
やっぱり国語、気持ちの読み取りなんかがあるんだろうか。
嫌だなぁ…。
だって私は
本から、辞書から得た感情がほとんどで
今ふと思ったりした「嫌だ」という感情も
幼いころ辞書から得た感情なのだから。
私の今ある感情はすべてそれらから得たもの。
人は生まれ、親に愛され成長しながら感情を知るものだと思う。
親がいないとしても誰かに愛され知っていくものだと…。
私にはそんな存在がいないのだから仕方のないこと……。
って、今更またそんなことを考えていても何も変わらないよね!
ダメダメ、ネガティブは。
早くクラス行かないと!!
いつまでも突っ立ている場合じゃない!
気持ちを改めて私は満開となった桜の木の下を駆けて行った。