taste of love..
「咲桜、おかえりっ!」
あたしは咲桜の頭を
くしゃくしゃと撫でる。
咲桜は嬉しそうに笑った。
「あのね、さお、おねえちゃんがくるまで
なるせせんせいとあそんでたのっ!」
なるせせんせい・・?
成瀬なんて初めて聞く名前だった。
少なくとも、先週あたしが
咲桜を迎えに来たときはいなかった。
「咲桜ちゃんのお姉さんですか?」
目の前で優しそうな声がした。
あたしは咲桜を見るために
下げていた視線をゆっくりと上げ、
目の前の人物を目で捉えた。
見るからに優しい笑顔を浮かべ
エプロンをつけた長身の男の人が
あたしの視界に入った。
「今日からうさぎ組を
担当することになった成瀬です。
よろしくお願いしますね、お姉さん」
そう言って成瀬先生は笑った。