確かに君は此処に居た
やがて、ページを捲る音が止まった。アルバムとある程度距離を保って覗き込む。
「……」
見開き2ページに貼られている写真。
幼い少年と少女が指をカメラに向けて映っている。
「…これ…指輪!?」
幼い少女は紛れもなく自分自身だ。幼子二人が向けた指には伽夜が首に掛けている指輪がはめてあった。
「この子…」
昨日の記憶と重なる。幼いが面影がはっきりとある。
「!」
写真の下に貼られていた紙。ハート型に模した赤い画用紙にマジックでその文字は綴られていた。
『婚約証明書。私たちは18歳になったら、結婚します。天見明・古嶋伽夜』
名前の部分は幼児特有の字で悪筆ながらも何とか読める。それら以外の字は母親の字だった。
「…あきら…天見…明」
ずきんっと頭に痛みが走った。後頭部をおもいっきり叩かれたようだ。身体がぐらっと揺らぐ。
『やっと呼んでくれた』
その声は薄れゆく意識の中で響いた。
「……」
見開き2ページに貼られている写真。
幼い少年と少女が指をカメラに向けて映っている。
「…これ…指輪!?」
幼い少女は紛れもなく自分自身だ。幼子二人が向けた指には伽夜が首に掛けている指輪がはめてあった。
「この子…」
昨日の記憶と重なる。幼いが面影がはっきりとある。
「!」
写真の下に貼られていた紙。ハート型に模した赤い画用紙にマジックでその文字は綴られていた。
『婚約証明書。私たちは18歳になったら、結婚します。天見明・古嶋伽夜』
名前の部分は幼児特有の字で悪筆ながらも何とか読める。それら以外の字は母親の字だった。
「…あきら…天見…明」
ずきんっと頭に痛みが走った。後頭部をおもいっきり叩かれたようだ。身体がぐらっと揺らぐ。
『やっと呼んでくれた』
その声は薄れゆく意識の中で響いた。