確かに君は此処に居た
「君は僕が視えるんだね?」
「…大久保くんが?」
「うん、この人。僕と同じみたいだ。ねえ、事実を隠さなくてもいいんじゃないかな」

(…同じ?)

引っ掛かりを感じるが、今はそんな場合じゃない。

「霊に説教されたくねえ」

唸るような声で大久保は明を見据えた。

「あの公園のベンチまで歩けるか」
「…え?…あ、うん」
「そこで少し待ってろ」

ふいと大久保は踵を返し、走って行った。

「…待ってたほうがいいのかな?」
「多分ね☆」

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