確かに君は此処に居た
8.捜索作戦は計画的に
「さて、これからどーする?」
「何、何。作戦立てるの?」
「当たり前!物事は道筋たてるのが決まりだよ」
「伽夜ってきちんとしてて偉いなあ」

二人は伽夜の部屋で指輪捜索のための作戦会議中だ。
ベッドと扉の間に挟まれるように置かれたテーブルに向かい合うように座っている。

「じゃあ、最初にあの後のことを教えて」
「あの後って、僕が伽夜に愛の告白した後?」
「あ、愛!?愛の告白って…!」
「もしかしてちゃんと聞いてなかった?うわーなんかショック。……もう一度、言おうか?」

思わず真っ赤になりかけていた伽夜は、明の言葉で真っ赤になってしまった。何せ、恋愛ごとには疎く苦手なのが最大の理由だ。

「い、や!ちゃんと覚えてます!」
「覚えているなら、いいんだ・で、あの後かあ…高校を見て回ったんだ」
「高等部を?なんで見に回ったの?」
「好きな人が存在する場所を見ておきたかったからだよ。どんなモノが周りにあって、どんな風に過ごしてるんだろなーってね」
「…すっ!?」
「ただそれだけだよ」

再発しそうだった熱は明の悲しげに目を伏せた仕草と急に沈んだ声を聞いて引いた。

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