確かに君は此処に居た
「楽しかったよ!やっぱり学校っていいね」
「校舎の中と外を見たの?」
「うん、そーだね。3年生の校舎に行って伽夜のクラス見つけたかな。3-1とか最初入ったクラスだったからラッキーだった」
「そっか、そっか」
「あと、裏庭も見たよ」

裏庭。高等部の裏庭には噴水があり、花壇には季節ごとの花が咲く憩いの場だ。

「学校に噴水ってお洒落だよねえ。あと紅葉が綺麗だった」

裏庭の一角は生徒らから『桜森』と呼ばれる桜木が多く植わった場所も有る。春になると、お花見スポットになるのだ。そして秋には葉が紅葉する。

「桜森にも行ったなんて…本当に学校を散策したんだね」
「散策は昔から好きなんだ。ほら、新しいモノや変わったモノを見つけたら嬉しいでしょ?得した気分になる」
「お得感かあ…じゃあ、そのうちここら辺をゆっくり散策する?ちょっと行ったら大きな公園とかショッピングモールとかあるし…」
「それ、いい考え!楽しみだな♪」

提案した案がよほど気にいったのか、明はいつもに増してにこにこと笑っている。そんな明の反応に嬉しさを感じつつ、伽夜はテーブルの上に置いた紙に視線を落とした。

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