確かに君は此処に居た
首に掛けている指輪をじっと見つめる伽夜を保健医の草場先生は不思議そうに見ている。
伽夜は保健委員である。保健委員は昼休み、放課後に保健室にいなければならない。怪我人病人の世話はもちろん、各月に配布される保健室便りの制作、保健室の掲示物の制作などの仕事があるためだ。それは学年ごとにローテーションされ、さらにクラスで回される。今日は伽夜がいるクラスが昼休み担当だった。
「古嶋さん、大久保は?」
「知らないですよ」
大久保とは保健委員の男子だ。3年になって初めてクラスメイトになり、委員になって以来、一度も話したことがない。それはそもそも大久保が来ないことに理由がある。
「クラスメイトなんでしょう?」
「クラスメイトでも関わらないんですよ」
「そういうものなのかしら」
草場先生には理解出来ないことらしい。
「ああっ!」
「…どうしたの?」
伽夜はチェーンから指輪を外して観察していた。指先で指輪の内側を触れると凹凸があるのに気付いた。
「…あ…きら?」
指輪の内側に光を当てて見れば、そこにAkira&Kayaと刻んであった。伽夜は指輪を元のようにチェーンに通し、首に掛けると勢い良く立ち上がった。
「古嶋さん?」
「ちょっと行って来ます」
「あ、どうぞ」
伽夜は保健委員である。保健委員は昼休み、放課後に保健室にいなければならない。怪我人病人の世話はもちろん、各月に配布される保健室便りの制作、保健室の掲示物の制作などの仕事があるためだ。それは学年ごとにローテーションされ、さらにクラスで回される。今日は伽夜がいるクラスが昼休み担当だった。
「古嶋さん、大久保は?」
「知らないですよ」
大久保とは保健委員の男子だ。3年になって初めてクラスメイトになり、委員になって以来、一度も話したことがない。それはそもそも大久保が来ないことに理由がある。
「クラスメイトなんでしょう?」
「クラスメイトでも関わらないんですよ」
「そういうものなのかしら」
草場先生には理解出来ないことらしい。
「ああっ!」
「…どうしたの?」
伽夜はチェーンから指輪を外して観察していた。指先で指輪の内側を触れると凹凸があるのに気付いた。
「…あ…きら?」
指輪の内側に光を当てて見れば、そこにAkira&Kayaと刻んであった。伽夜は指輪を元のようにチェーンに通し、首に掛けると勢い良く立ち上がった。
「古嶋さん?」
「ちょっと行って来ます」
「あ、どうぞ」