秘密 ~生徒に恋して~
① 誰にも言えない
いつからか、気づくと彼の姿を目で追っていた。
グラウンドを、砂だらけになりながら白球を追い、走り回る彼の姿を…。
もうすぐ二学期が終わろうとする、12月の寒い夕方。
放課後の部活で賑わう校庭に、彼の姿はもうない。
あちこちに目をやると、男子生徒の練習風景を、陰から熱く見つめる女子生徒達が居る。
私も、彼女達と同じ立場なら、きっと眩しい青春以外の何物でもないのだろう。
でも…
私の想いは…きっと誰にも言えない。
これから先もずっと…。
友達にも…
そしてもちろん彼にも。
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