秘密 ~生徒に恋して~
悠也は、保健室の中を機敏に動き回り、引き出しからタオルを出して濡らすと、冷蔵庫の中の保冷剤を取り出し素早くタオルでくるんで、こちらに向かって来る。
こういう時にテキパキと動ける男には胸がキュンとする。
「あ、俺、手当てしたら、先生の様子見て戻るから。お前ら練習に戻ってろ。そこでガヤガヤしてたら、うるさくて休めねぇよ」
悠也が仲間に声をかける。
気配りも万全。
「それもそうだな…」
「じゃ、頼んだぞ」
「先生、ゆっくり休んでなよ」
「ヨシッ!じゃ練習だ!」
北川先生の声。
「だからテメーはうるさいって!」
ガヤガヤと彼らの声は立ち去って行った。