秘密 ~生徒に恋して~
月日は過ぎ、学年が変わり、私は悠也の副担任を外れた。
英語の授業も、私はまた二年生の担当になったので、部活動時間の保健室でしか、それもたまたま怪我をした時にしか会うことはなくなってしまった。
もっとも、私はいつも窓から悠也の姿を目で追っていたが…。
最後の夏の大会で、彼らは完全燃焼した。
勝利の歓びも、敗北の悔しさも、両方経験したが、全てが全力を出し切った試合で、みんなの顔は、晴れ晴れとしていた。
私の目には、悠也を始め部員達の最後の勇姿が、しっかり焼きついている。
それを最後に、授業後に保健室から悠也の姿を見つめることすらできなくなってしまった。
彼の居なくなった校庭は、季節が変わるように色を失って行った。