秘密 ~生徒に恋して~
…困った…
ベッドの端に座った悠也は、頑丈な新谷の支えがなくなって既にぐらぐらの状態になっている。
このままひっくり返られたら、上着を脱がすことも、ちゃんとベッドに寝かせることも不可能になってしまう。
私は悠也の背中を片手で支え、片手で制服のボタンを外そうとしたが、うまく行かない。
仕方なく、悠也の両腕を脇から自分の肩にかけさせ、手探りでボタンを外しにかかった。
自然と悠也の頭は、私の肩から首筋あたりに埋まり、抱き合うような形になってしまう。
……勘弁して欲しい。
必死になって忘れようとしてる人なのに、何故、こんな状況になってしまうかな…
悠也とキスをしたあの日に、優しく私を抱いてくれた感触がふと甦る。
悠也の身体から発する熱を感じ、自分の感情と混ざり合って、私の頬まで熱くなってしまう。
やっとのことで制服を脱がせ、悠也の頭と背中を支え、ゆっくりとベッドに寝かせる。
私が倒れた時も、確か悠也がそうしてくれた。
「ぅ…ん…葉月先…生?」
朦朧とした表情で少し目を開けて私を見る。
「大丈夫?少し休もうね。気持ち悪かったり、痛い所とかある?」
「…ん~……」
質問には答えず、また目を閉じ、荒い呼吸を繰り返す。