秘密 ~生徒に恋して~
「ごめ~ん!先生。こんな時間まで付き合わせちゃったんだ~。
俺、もう大丈夫だからチャリで帰れるよ。タクシーなんて柄じゃないし」
「柄じゃないとかそういう問題じゃないのよ。私は責任持って送り届けるって約束したんだから、ダメよ。タクシー呼ぶね」
「じゃ、先生とバスで帰る。同じ所で降りられるし、それならいいだろ?」
悠也がニッコリ笑う。
私はその子どものような笑顔にすっかりやられてしまい、でもそんな感情は見せないように笑い返した。
「じゃ、そうしようか」
私はハンガーにかけた制服を取って、悠也に手渡した。