秘密 ~生徒に恋して~
「何か…あったの?」
制服を着終わった悠也が、少し声のトーンを落として近づいて来たが、私は背を向けたまま、答えられないでいた。
「喧嘩でもしたのか?
あ、ほら、アレだろ…うちの姉貴も言ってたけど、結婚式前になると、いろいろ決めなきゃならないことあって意見がぶつかって…とか。
マリッジブルーとか何とか言うヤツ?」
「ああ…うん、そうかもね」
「先生、こっち向けよ」
少し苛立った声で悠也が声をかける。
私は仕方なく振り返ったが、悠也の目を見ることができず、視線を床に落とした。
「ちゃんとうまく行ってんだろ?」