秘密 ~生徒に恋して~
悠也の大きな手は、私の頭をさらに強い力で押さえる。
そして右手だけを後頭部の方にずらすと、私の首筋に唇を這わせた。
「あ…っ…」
突然のことに、私は反射的に声を漏らした。
「婚約者がいるくせに、他の男にもこんなふうにされて、そんな声出したのかよ」
悠也が低く冷たい声でそう言いながら、私を見据える。
「そんな…こと…」
「そう…だよな?あの時だって、好きでも何でもない俺に、平気でキスさせたんだもんな…」
「ちが…」
「違わねぇだろ!先生にとってはどうってことない、軽いことだったんだろ?!」
悠也は私が背にしている薬品戸棚の扉を乱暴に叩き、怒鳴った。
悠也の変貌ぶりに私は恐怖を感じて、何も言い返せなくなる。