秘密 ~生徒に恋して~
「私が、好きなのは……貴方なの」
「え…っ…」
悠也は大きな目を見開いて私を見る。
「私は、片瀬くんのことが好きなの」
「う…嘘…だろ?」
「ずっと好きだったって…貴方はそう告白してくれたけど、私もきっと同じ頃から…。
でも…言えなかった。
私と貴方は、教師と生徒だし、私はすごく年上だし…。
絶対に言っちゃいけないと思ってた」
「え?…そんな…。マジかよ」
私は無言で深く頷いてみせた。
悠也は私の前に膝をつき、私の頭を自分の胸に抱き寄せた。
「ごめん…ごめんな。そんなこと考えもしなかった。
俺、先生にひどいことを…。 本当にごめん!」
さっきの乱暴な腕とは全く違う優しい腕が、私を包んでいる。
何とも言えない安心感が胸の中に広がり、私はまるで子どものように泣きじゃくってしまった。
「ごめん…ごめん…」
悠也は何度もそう言いながら、私の頭を撫でてくれた。