秘密 ~生徒に恋して~


「…何だか…」

「ん?…」

「先生って呼ぶの…やめない?何だか…とってもイケナイことしてる気になっちゃう…」

悠也が動きを止めて私の顔を見る。

「してるよ、充分」

意地悪そうな顔で笑うと、私の顔を見つめる。


「葉月さん、大好きだよ」

そう言うと急に照れて、笑いそうになる私の唇を塞いだ。

「じゃあ、俺も名前で呼んでよ」

悠也はそう言うと、私の答えを聞かず、激しく動き始めた。



「悠也…悠也…。好き」


やっと呼べた…愛しい人の名前。

私の身体も、脳も、どんどん熱く、溶けてしまうような感覚に陥る。



そして私達は、ほぼ同時にその時を迎えた。

< 79 / 111 >

この作品をシェア

pagetop