秘密 ~生徒に恋して~


「あ~っ!バスの時間!早く行かないと終バス逃がしちゃう!」

私達は慌ててベッドから降りると、床に散乱した服をかき集める。



フワッと私の肩に何かが掛けられた。
悠也のカッターシャツ…

「ごめん…先生のシャツ、俺がボタンちぎっちゃったから…。さっき熱で汗かいたから、汗臭いかも知んねぇけど我慢して」

「でも、風邪引いてるのに、そんな…」

「俺は大丈夫だよ。Tシャツもパーカーも、何ならジャージもあるし。だって胸はだけたシャツでなんか帰れねえだろ?」

そう言いながら私の前に回り、ボタンを全部留めてくれた。

「かなりデケーな」

「はいはぃ、チビですからね」

悠也のシャツは私には大き過ぎたけど、まだ彼に包まれているようで、とても心地よく感じた。

< 81 / 111 >

この作品をシェア

pagetop