秘密 ~生徒に恋して~


「何かさぁ…思い出すと照れるな…」

報告が終わると、悠也は保健室の中を見回し、私の顔を見て恥ずかしそうに笑い、ドアを出て行った。

私だってあの翌日から、この部屋にいるだけでずっとドキドキが止まらなかった。



「先生、これ落ちてましたけど」

保健室を訪れた生徒に、ボタンを手渡された後などは、完全に動揺して、薬品棚の扉に手を挟んだり、ゴミ箱につまづいて転びそうになったり、散々だった。


悠也が見てたらきっと言われるんだろうなぁ…

「あぁ、またドジやってる。全く仕方ねぇなあ」って。


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