秘密 ~生徒に恋して~


そして冬休み、個人授業とは言っても、一生徒を自分の部屋に入れる訳には行かないので、柴田くんも呼んで、学校の図書室で勉強した。

単に他人に怪しまれない為の悠也の策略だったが、柴田くんは何の疑いもなくついて来て、私に質問をしまくる悠也の隣で、黙々と勉強していた。


たまに話を聞きつけて、他の生徒も来たりした。

矢野が来た時などは、私にとんちんかんな質問ばかりするので、

「お前はよ~…名前さえ書けば受かる大学なんだから来んなよ~」

と悠也に嗜められていた。


悠也の志望校は、何度聞いても
「合格する自信がないから」
と、教えてくれなかった。


< 90 / 111 >

この作品をシェア

pagetop