乙女は白馬に乗った王子を待っている

「でも、明日は土曜日だよ〜。会えないのかなぁ〜。」

「じゃあ、さやかから連絡してみりゃいいじゃん。」

ゆり子は面倒くさくなってきてついぶっきらぼうな口調になる。

「ええ……、でも……、断られたらどうしよう……？　どう思う、ゆりちゃん。」

「いや、断られたら、って……、前回のデートは別にうまくいったんでしょ？」

「ん……、まあね。」

「じゃ、断られるわけないじゃん。」

「でも、デートに行くつもりなら、どうして連絡くれないのよ〜。
　こういうのって、普通は男の人が連絡するものじゃない？」

いやいやいやいや。なんでそうなるのさ？

「いや、忙しくて忘れるってこと、あるでしょう。社長も一応社長なわけだし。」

「そうなのかなぁ〜。」

「そうだよ。そんな遠慮してないで、さやかの方から連絡とってみなよ。」

「……うん、じゃあ、そうする。」