乙女は白馬に乗った王子を待っている
これって、一体何の罰ゲームよ!

次の日から、ゆり子は職場で怒濤の毎日を過ごすことになる。
案の定、10分ほど遅刻してきた、山村月星(るな)に説教するところから研修は始まった。

「山村さん、言いましたよね!?派遣先の会社は絶対遅刻しない人を探している、って。
 どうして遅れたんですか!?もう、その遅刻体質を何とかして頂かないとご紹介できる会社なんてありません!」

山村月星(るな)は悪びれることなく答える。

「だって〜、バスが遅れたんだもん。しょうがないじゃん。」

「……山村さん、普通は、バスが遅れることも頭に入れて、通勤時間を計算するものなんです。
 それから、言い訳をするときに「……だもん」と、間延びした言い方もしない方がいいです。
 女子高生のような響きがしますから。」

「女子高生みたいにした方がウケがいいんじゃね?オヤジなんて、JKってだけで喜ぶよ。」

「……それは、エンコーとかそういう場合じゃないですか!?働く社会人としてはNGです!」

「そぉなのぉ?」


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