乙女は白馬に乗った王子を待っている
東城からの痛いほどの視線を振り切って、ゆり子は一人家に戻った。
いつもの習慣で、さやかがいないにも関わらず、第3のビールと適当なつまみをキッチンからあさって、テレビの前に置いた。
もうすぐドラマが始まる。
確か、先週は、イケメン専務がライバルの婚約者とキスしているところを高村美香が目撃したところで終わっていた。
どうせ、今週は、誤解が解けた専務と高村美香がイチャイチャするんだろうなー、なんて思いながらテレビをつけて何となく見ていたら、例によってピンポーンとチャイムを鳴らして翔太がやって来た。
「あれ、さやかさんは?」
あんなに楽しみにしているドラマの時間にさやかがいないので、翔太は不審に思ったに違いない。
「合コン。高橋社長が相当気に入ったみたいで、合コンの後、二人でどっか消えた。お持ち帰りかもね〜〜。」
ゆり子はわざと意地悪く言う。
「まじかよ〜〜〜。」
冗談めかして言っているが、涙目になっているのがゆり子には分かった。
「何でさやかを止めなかったんだよォ。」
「ん〜〜、なんか二人があんまり盛り上がってたから、そんなこと言い出せる雰囲気じゃなかった。
アタシは、変なオヤジに捕まりそうで、必死だったしさ。」
ゆり子を気にしてくれているのが、唯一、腹の出たほぼバーコード男、東城だけ、と言うのが悲しすぎる。
あとの男には、ゆり子など眼中にないらしい。
ゆり子は翔太と目を合わせないようにして、黙ってテレビに顔を向けた。
いつもの習慣で、さやかがいないにも関わらず、第3のビールと適当なつまみをキッチンからあさって、テレビの前に置いた。
もうすぐドラマが始まる。
確か、先週は、イケメン専務がライバルの婚約者とキスしているところを高村美香が目撃したところで終わっていた。
どうせ、今週は、誤解が解けた専務と高村美香がイチャイチャするんだろうなー、なんて思いながらテレビをつけて何となく見ていたら、例によってピンポーンとチャイムを鳴らして翔太がやって来た。
「あれ、さやかさんは?」
あんなに楽しみにしているドラマの時間にさやかがいないので、翔太は不審に思ったに違いない。
「合コン。高橋社長が相当気に入ったみたいで、合コンの後、二人でどっか消えた。お持ち帰りかもね〜〜。」
ゆり子はわざと意地悪く言う。
「まじかよ〜〜〜。」
冗談めかして言っているが、涙目になっているのがゆり子には分かった。
「何でさやかを止めなかったんだよォ。」
「ん〜〜、なんか二人があんまり盛り上がってたから、そんなこと言い出せる雰囲気じゃなかった。
アタシは、変なオヤジに捕まりそうで、必死だったしさ。」
ゆり子を気にしてくれているのが、唯一、腹の出たほぼバーコード男、東城だけ、と言うのが悲しすぎる。
あとの男には、ゆり子など眼中にないらしい。
ゆり子は翔太と目を合わせないようにして、黙ってテレビに顔を向けた。