彼女は空を見つめ続ける。
──でもやっぱり・・・
「郁実最近ボーッとしすぎやろ!」
斜め下からノーテンキな関西弁が
聞こえてくる。
「何だかそうみたい」
俺は天然水のペットボトルの帽子を
カラカラと外した。
「好きなやつ居るんならオレみたいに
さっさと認めといた方がええよ。」
次の瞬間飲もうとしていたペットボトルが
何とも奇怪な音を立てて潰れた
いや、潰したのだ。
「郁実。暑かったんか?でもここは
校舎内やそれはあかん。」
そこに通りすがりの他クラスの知らない
女子が雑巾を持ってきてくれた。
雑巾で顔を拭かれたときは下から
笑い声が聞こえたこれは真夏の紫外線より
いたいなと思った。
「早う中庭行こうや
ベンチ取られてまう!!!!」