雨音の周波数
「失礼します。残りの感想メールとファックスを持ってきました」
夏川さんが来てくれたおかげで、私の勝手な推測を断ち切ることができた。
「ありがとう」
手に持っていた紙を読んだ方の束に混ぜ、夏川さんが持ってきてくれたものと交換するように渡す。
「これ読み終わったやつだから、シュレッダーかけておいてくれますか?」
「わかりました。私、あと一時間くらい居ますので帰るときには声を掛けてください」
「わかりました」
夏川さんが手にしている紙の束を目で追ってしまう。届いたメール、ファックスはその日に削除、その日にシュレッダー。個人情報に厳しい昨今、当たり前のことだ。
いかん、いかん。早く感想を読んでここから出ないと。
それから私はたくさんの人から届いた感想を集中して読み続けた。
夏川さんが来てくれたおかげで、私の勝手な推測を断ち切ることができた。
「ありがとう」
手に持っていた紙を読んだ方の束に混ぜ、夏川さんが持ってきてくれたものと交換するように渡す。
「これ読み終わったやつだから、シュレッダーかけておいてくれますか?」
「わかりました。私、あと一時間くらい居ますので帰るときには声を掛けてください」
「わかりました」
夏川さんが手にしている紙の束を目で追ってしまう。届いたメール、ファックスはその日に削除、その日にシュレッダー。個人情報に厳しい昨今、当たり前のことだ。
いかん、いかん。早く感想を読んでここから出ないと。
それから私はたくさんの人から届いた感想を集中して読み続けた。