大好きなキミ
授業中
キーン、コーン、カーン、コーン―…
楽しい時間の終わりと、嫌な時間の始まりを告げるチャイムが鳴った。
これから歴史の時間。
「歴史めんどくさーい」
「本当だねぇ…」
号令のあと、要と文句を言いながら着席する。
勉強がそれなりに出来るあたしでも、社会だけは苦手。
本当に嫌な時間の始まり…。
「はぁ…要ー。またノートあとで写させて」
「うん。わかったぁ」
クスクス笑いながら返してくる。社会に関しては、いつもこんな感じ。
社会の時間には読書をするのがあたしの習慣。
教科書だけ机の上に開くと、あたしは本を取り出して読書を始める。