大好きなキミ
「…普通にダルいだけ…」
まあ…簡単に答えたけど、十分あってるよね?
「ふぅん…」
『ふぅん…』って…。自分が聞いてきたんじゃない。訳の解らないヤツだな…。
「で…何の本読んでんの?」
「何の本って…」
今読んでるのは、ファンタジー物で魔法使いの女の子が主人公の本。それを高邑に説明する。
「へぇ…おもしろい?」
「おもしろいけど…」
「貸して」
何を考えてんの…、と思いながらも、栞を挟んで本を閉じて渡す。あたしって優しいじゃん?