あなたを守りたい
彼女の部屋。
玄関から部屋の中まで綺麗に掃除がしてある。
余計な物が無い、白を基調としたシンプルなインテリア。
彼女は鍵とバッグをソファーの片隅に置く。
左手は、ぎゅっとジャケットの前をつかんでいる。
スカートには破れはないようだけど、土と細かい草が付いていた。
ストッキングは伝線し、髪の毛にも草が絡まっていた。
「ひどい格好だわ・・・」
「ここで待っていますから、お風呂に入って来て下さい」
「いいの?」
「はい。上がるまでいますから、安心して下さい」
「ありがとう。それじゃそうするわ。本当にいてね。どこにも行かないでね」
「約束します」
彼女はひとりになる事に怯えているようだった。
まあ当然か。
見知らぬ男に乱暴されそうになったのだから。
扉がカチャリと閉まる音がした。
そしてシャワーの音。
僕は窓の方へ歩み寄る。
そこから見える景色は、やっぱりと納得出来るものだった。
ここが坂の一番上。
下の大通りが明るく見えた。手前の住宅の屋根が邪魔をして、走っている車までは見えなかったが。
マンションの前は平屋造りの一軒家。
2階の部屋を覗かれる心配は無い。
5階の住民は、もっと綺麗な夜景を楽しむ事が出来るんだろうな。
20分ほどして、パジャマに着替えた彼女が戻って来た。
「ごめんね」
「いえ、それよりお怪我はありませんでしたか?」
「ええ」
「良かった」
僕が座るソファーの横に腰を下ろす彼女。
生乾きの髪からシャンプーの良い匂いがする。
「ありがとう。あなたが来てくれなかったら私・・・」
「何も言わないで」
彼女の背中に手を回し、そっと撫でると頭を僕の肩に預けて来た。
背中に回した手を、彼女の反対側の肩に移動させる。
「ジャケット、汚しちゃった」
「気にしないで下さい」
玄関から部屋の中まで綺麗に掃除がしてある。
余計な物が無い、白を基調としたシンプルなインテリア。
彼女は鍵とバッグをソファーの片隅に置く。
左手は、ぎゅっとジャケットの前をつかんでいる。
スカートには破れはないようだけど、土と細かい草が付いていた。
ストッキングは伝線し、髪の毛にも草が絡まっていた。
「ひどい格好だわ・・・」
「ここで待っていますから、お風呂に入って来て下さい」
「いいの?」
「はい。上がるまでいますから、安心して下さい」
「ありがとう。それじゃそうするわ。本当にいてね。どこにも行かないでね」
「約束します」
彼女はひとりになる事に怯えているようだった。
まあ当然か。
見知らぬ男に乱暴されそうになったのだから。
扉がカチャリと閉まる音がした。
そしてシャワーの音。
僕は窓の方へ歩み寄る。
そこから見える景色は、やっぱりと納得出来るものだった。
ここが坂の一番上。
下の大通りが明るく見えた。手前の住宅の屋根が邪魔をして、走っている車までは見えなかったが。
マンションの前は平屋造りの一軒家。
2階の部屋を覗かれる心配は無い。
5階の住民は、もっと綺麗な夜景を楽しむ事が出来るんだろうな。
20分ほどして、パジャマに着替えた彼女が戻って来た。
「ごめんね」
「いえ、それよりお怪我はありませんでしたか?」
「ええ」
「良かった」
僕が座るソファーの横に腰を下ろす彼女。
生乾きの髪からシャンプーの良い匂いがする。
「ありがとう。あなたが来てくれなかったら私・・・」
「何も言わないで」
彼女の背中に手を回し、そっと撫でると頭を僕の肩に預けて来た。
背中に回した手を、彼女の反対側の肩に移動させる。
「ジャケット、汚しちゃった」
「気にしないで下さい」