あなたを守りたい
「ただいま帰りました」
「お疲れ様」
事務所に戻った僕たちを迎えてくれた彼女。
良かった。
笑顔になってる。
「千春ちゃん、元気になったみたいだね」
早速金子さんが彼女に声を掛ける。
「朝、元気無かっただろ? 何かあった?」
「何も。夕べ遅かったから低血圧だったのかも」
「そっか、良かった」
「2人とも、心配掛けてごめんね。もう大丈夫よ」
彼女は、ガッツポーズして見せた。
強がっている姿が痛ましい。
金子さんは低血圧に納得したようで、席に戻ると鼻歌を歌いながら書類の整理を始めていた。
「黒沢くん、ジャケット明日仕上がるから、帰りに寄ってくれる?」
「わかりました」
金子さんに聞こえないように小声で言葉を交わした僕たちは、その場から離れた。
席に戻った僕に、椅子をスライドさせて近づいて来た金子さん。
「お前、今何かこそこそ話してただろう? 仲良いじゃん」
「こそこそって・・・」
「まだ千春ちゃんの事が好きなんだろ?」
「それはそうですけど・・・」
「彼氏がいるから手が出せない?」
「いや、その・・・」
「何だよ。はっきりしねーな」
「僕はただ見守るだけでいいんです」
「えっ?」
「藤井さん、彼氏さんと上手くいってないみたいなんですよね。だけど4年ですよ。4年も付き合ってたら当然結婚の話も出てただろうし、そう簡単には諦められないと思うんですよね」
「お前、いつそんな話聞いたんだよ。千春ちゃん言ってたよな。プライベートには立ち入るなって。お前しっかり立ち入ってるじゃん。あ、もしかして、千春ちゃんもお前の事・・・」
「そんな事ないですよ」
「だけどよ、もう何年も付き合ってる同僚の俺には何にも話してくれないのに、何でお前には話すわけ? 千春ちゃんもお前の事が好きなんじゃね? 悔しいな。俺、頼りにされてないんだ」
「あの、もしかして金子さんって・・・」
「好きだよ。あいつの事」
「やっぱり」
突然噴出す金子さん。
「わりぃ。そんなに落胆するなよ。俺はただ同僚として好きなだけだよ。恋愛感情があるなら、お前らの事応援したりするもんか」
「本当ですか?」
「本当。心配するなって」
「お疲れ様」
事務所に戻った僕たちを迎えてくれた彼女。
良かった。
笑顔になってる。
「千春ちゃん、元気になったみたいだね」
早速金子さんが彼女に声を掛ける。
「朝、元気無かっただろ? 何かあった?」
「何も。夕べ遅かったから低血圧だったのかも」
「そっか、良かった」
「2人とも、心配掛けてごめんね。もう大丈夫よ」
彼女は、ガッツポーズして見せた。
強がっている姿が痛ましい。
金子さんは低血圧に納得したようで、席に戻ると鼻歌を歌いながら書類の整理を始めていた。
「黒沢くん、ジャケット明日仕上がるから、帰りに寄ってくれる?」
「わかりました」
金子さんに聞こえないように小声で言葉を交わした僕たちは、その場から離れた。
席に戻った僕に、椅子をスライドさせて近づいて来た金子さん。
「お前、今何かこそこそ話してただろう? 仲良いじゃん」
「こそこそって・・・」
「まだ千春ちゃんの事が好きなんだろ?」
「それはそうですけど・・・」
「彼氏がいるから手が出せない?」
「いや、その・・・」
「何だよ。はっきりしねーな」
「僕はただ見守るだけでいいんです」
「えっ?」
「藤井さん、彼氏さんと上手くいってないみたいなんですよね。だけど4年ですよ。4年も付き合ってたら当然結婚の話も出てただろうし、そう簡単には諦められないと思うんですよね」
「お前、いつそんな話聞いたんだよ。千春ちゃん言ってたよな。プライベートには立ち入るなって。お前しっかり立ち入ってるじゃん。あ、もしかして、千春ちゃんもお前の事・・・」
「そんな事ないですよ」
「だけどよ、もう何年も付き合ってる同僚の俺には何にも話してくれないのに、何でお前には話すわけ? 千春ちゃんもお前の事が好きなんじゃね? 悔しいな。俺、頼りにされてないんだ」
「あの、もしかして金子さんって・・・」
「好きだよ。あいつの事」
「やっぱり」
突然噴出す金子さん。
「わりぃ。そんなに落胆するなよ。俺はただ同僚として好きなだけだよ。恋愛感情があるなら、お前らの事応援したりするもんか」
「本当ですか?」
「本当。心配するなって」