あなたを守りたい
「あの、何か飲みますか? と言ってもお茶かオレンジジュースしかありませんけど」
「ううん。いいわ。ありがとう」
何だか落ち着かない。
千春さんが僕の家にいるなんて、まったく想像していなかった。
「黒沢くん、ごめんね」
「何がですか?」
「まず、こないだあなたの履歴書こっそり見ちゃったの。それで、住所と電話番号メモしてたんだ」
「だから、ここがわかったんですね。いや、びっくりしましたよ」
「それともうひとつ。私の部屋にいたのは彼よ」
「やっぱり」
「私、あなたの姿が見えて、とっさに彼に言ったの。あの人の事が好きなのって」
「ああ、だから僕の方を指差したんですね。で、それを聞いた彼氏さんが怒って追いかけて来たというわけか」
「ごめんなさい」
「なんだ。そうだったんだ。別に謝らないで下さい。僕で良ければどんどん使って下さい」
謎が解けた。
という事は、千春さんは彼氏に別れを告げようとしてたんだ。
で、たまたまいた僕の事を好きだと嘘を付いて、彼を諦めさせようと。
「・・・」
「えっ? どうかしましたか? 彼と、別れる事にしたんですよね? 上手くいかなかったとか?」
黙ってしまった彼女に不安を覚えた。
まさか、彼氏から暴力を受けたとか?
見る限り、傷あとは見当たらなかったけど。
「嘘じゃないの」
「えっ?」
「あなたの事が好きって言ったの、嘘じゃないの」
「えっ!」
「前に、お巡りさんに職務質問されてた事があったでしょ。あの日、丁度通りかかったって嘘よね? それに、大通りを通って帰ってって言ったのに、その後もうちの前を通ってた」
「見てたんですか・・・」
「あの頃は、正直ちょっと引いてたの」
「やっぱり。すみません。僕もストーカーみたいだと思ってました。千春さんを不安にさせてはいけない。何度も止めようと思ったんです。だけど、どうしてもあなたの事が頭から離れなくて」
「黒沢くん・・・」
「あなたに彼氏がいてもいい。あなたを見守る事さえ出来ればいい。そう思っていました」
「どうして? どうしてそんなに優しいの?」
「千春さんの事が好きだから」
「えっ? それじゃ、あなたが思っている人って・・・」
「はい。千春さんの事です」
「黒沢くん」
わっ!
突然抱きついて来た彼女。
「私も、あなたの事が好き。大好き」
「ううん。いいわ。ありがとう」
何だか落ち着かない。
千春さんが僕の家にいるなんて、まったく想像していなかった。
「黒沢くん、ごめんね」
「何がですか?」
「まず、こないだあなたの履歴書こっそり見ちゃったの。それで、住所と電話番号メモしてたんだ」
「だから、ここがわかったんですね。いや、びっくりしましたよ」
「それともうひとつ。私の部屋にいたのは彼よ」
「やっぱり」
「私、あなたの姿が見えて、とっさに彼に言ったの。あの人の事が好きなのって」
「ああ、だから僕の方を指差したんですね。で、それを聞いた彼氏さんが怒って追いかけて来たというわけか」
「ごめんなさい」
「なんだ。そうだったんだ。別に謝らないで下さい。僕で良ければどんどん使って下さい」
謎が解けた。
という事は、千春さんは彼氏に別れを告げようとしてたんだ。
で、たまたまいた僕の事を好きだと嘘を付いて、彼を諦めさせようと。
「・・・」
「えっ? どうかしましたか? 彼と、別れる事にしたんですよね? 上手くいかなかったとか?」
黙ってしまった彼女に不安を覚えた。
まさか、彼氏から暴力を受けたとか?
見る限り、傷あとは見当たらなかったけど。
「嘘じゃないの」
「えっ?」
「あなたの事が好きって言ったの、嘘じゃないの」
「えっ!」
「前に、お巡りさんに職務質問されてた事があったでしょ。あの日、丁度通りかかったって嘘よね? それに、大通りを通って帰ってって言ったのに、その後もうちの前を通ってた」
「見てたんですか・・・」
「あの頃は、正直ちょっと引いてたの」
「やっぱり。すみません。僕もストーカーみたいだと思ってました。千春さんを不安にさせてはいけない。何度も止めようと思ったんです。だけど、どうしてもあなたの事が頭から離れなくて」
「黒沢くん・・・」
「あなたに彼氏がいてもいい。あなたを見守る事さえ出来ればいい。そう思っていました」
「どうして? どうしてそんなに優しいの?」
「千春さんの事が好きだから」
「えっ? それじゃ、あなたが思っている人って・・・」
「はい。千春さんの事です」
「黒沢くん」
わっ!
突然抱きついて来た彼女。
「私も、あなたの事が好き。大好き」