桜色トライアングル
手に白いパッケージのカップを持って、にっこり笑う海希くん。
「あたしはー…、ストロベリーかな」
「だと思ったー、雪子さん、ストロベリー頂戴」
「はいよ」
財布を取り出そうと鞄を漁っている間に、海希くんはあたしの分も払ってくれたみたいだった。
「海希くん、お金払うよ、いくら?」
「ん?いいのいいの。暑い中試合見に来てくれたんだから。ほい」
すとん、と手に収まるストロベリーのアイスクリーム。
「え、え、そんなの悪いよ!」
「いーから、遠慮するなって。ほら、溶けちゃうぞー」
「…ありがとう」
海希くんって本当に優しい…
なんか申し訳ないなぁ、と思いながら、カップの蓋を外して一口、アイスを食べる。
「んっ、おいしい!!」