桜色トライアングル
わぁぁ、久々の海希くん、眩しい。
「おはよ。もう大丈夫なのか?」
「うん!この間は色々ありがとね」
「いや、ほんとに無事でよかった」
あたしを閉じ込めた人が誰だったのかはわからないけど、これからは気を付けないと。
あたしは海希くん一筋だから、芹沢先輩やほかの男のひとには興味ないから、誤解されたくない。
「なんだ、桜のクセに難しい顔して」
「ど、どういうことかなっ?」
あたしがいつもマヌケな顔してるってことかなっ?
ふと見ると、海希くんが自転車を押して歩くたびに、寝癖なのか髪が揺れている。
無意識にその跳ねる髪を見ていると、その視線に気づいた海希くんがそこを触った。
「なんかついてる?」
「なんか、ぴょんって」
手でくるんっと表現しながら言うと、海希くは少し顔を赤くした。
「恥ずかし…鏡見たんだけどな」
「あたし寝癖直し持ってるよ?」