桜色トライアングル



あたしもたまになるから、いつも持ち歩いてるんだよね。


「ほんとか?後で貸して?」


「うん!」


ほんとは寝癖付いてる海希くんも可愛いから、それはそれでアリなんだけど…


「お前、なんでニヤニヤしてんだよ?」


「え!してないよ」


慌ててむにっ、とほっぺを押さえる。


海希くんに思ってることバレたら死んでしまうほど恥ずかしい。


「…海希くん?」


な、なぜか海希くんに無言で頭を撫でられている。


嬉しいけど他の生徒もいるから恥ずかしい…でも嬉しい…うぅ。


ぐるぐると考えていると、海希くんが立ち止まった。


「…桜、あのさ…」


あたしの頭から手を外して、真剣な目を向けてくる。


なに?海希くんどうしちゃったの?


< 103 / 140 >

この作品をシェア

pagetop