桜色トライアングル
あたしもたまになるから、いつも持ち歩いてるんだよね。
「ほんとか?後で貸して?」
「うん!」
ほんとは寝癖付いてる海希くんも可愛いから、それはそれでアリなんだけど…
「お前、なんでニヤニヤしてんだよ?」
「え!してないよ」
慌ててむにっ、とほっぺを押さえる。
海希くんに思ってることバレたら死んでしまうほど恥ずかしい。
「…海希くん?」
な、なぜか海希くんに無言で頭を撫でられている。
嬉しいけど他の生徒もいるから恥ずかしい…でも嬉しい…うぅ。
ぐるぐると考えていると、海希くんが立ち止まった。
「…桜、あのさ…」
あたしの頭から手を外して、真剣な目を向けてくる。
なに?海希くんどうしちゃったの?