桜色トライアングル



「だーめ。君に拒否権ないから。…オレに狙われたのが運のつきだね」


…イケメンな顔が悪魔に染まってるんですけど。


こんな意地悪な先輩…だったっけ。


…だったなぁ。

初めて会ったときも、なんかドキドキ攻撃してきたしなぁ。


「でも、本当に無理です!あたし好きな人がいるって言…」


「わざわざお見舞いに行って、ご飯も作ってあげたのになぁ。意外と薄情な人だねぇ」


「う…っ」


この人オニだ、Sだ。


優しい王子のしたに、きっとSな本性隠してるよ。


「あのでも…他のこと…とかじゃダメですか」


それでも初めてのデートは海希くんがいいから、あたしは食い下がらない。


「…他のこと?」


「あ、顎に手を添えないでください!」


ナチュラルにあたしの顎に手を置いて顔を近づけないでください。


なにを考えてるのこの先輩!


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