桜色トライアングル




「だろー?それ俺…「あーっ、海希じゃん!」


海希くんがなにか言いかけたとき、店先にから大声が被る。


「なんだよ昂矢、被せんなし」


「ごめんごめんー」


ぞろぞろと、昂矢くん含めて四人のサッカー部が店に入ってくる。


海希くん…なに言いかけたんだろ?



「さくらんが見に来てくれたから俺がんばった~!」


にっこりと八重歯を見せて、笑いかけてくる昂矢くん。


昂矢くんも、可愛い系イケメンとして人気のある人だから、話すのは少しだけ緊張。



「そうなの?ならよかった、かな?」


「俺も俺も~!」


わぁわぁと、昂矢くんたちに口々に言われて、ちょっと戸惑いながらも言葉を返す。


海希くんと、昂矢くんは中学からの友達らしくて、仲がすごくいい。


だから人見知りするあたしでも、昂矢くんは話せるけど、サッカー部特有のテンションの高いノリにちょっとついていけない時がある。

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