桜色トライアングル
お弁当バッグを揺らして歩いていると、前から見覚えのある顔が。
「…あ、君、朝はよくも逃げてくれたね。もう絶対デートしてくれなきゃ許さないからね」
スレ違う瞬間に耳元でこっそり黒い言葉を吐いて去っていく。
「今の芹沢先輩?アンタ知り合いだったの?」
「うーん…それも後で説明する」
そうだ、真姫には奈未ちゃんの誤解の話はしたけど、なにも説明してないんだった。
あぁぁ~…、なんでこんなことに。
とりあえず早くドーナツを買って屋上に行こう。