桜色トライアングル



お弁当バッグを揺らして歩いていると、前から見覚えのある顔が。


「…あ、君、朝はよくも逃げてくれたね。もう絶対デートしてくれなきゃ許さないからね」


スレ違う瞬間に耳元でこっそり黒い言葉を吐いて去っていく。


「今の芹沢先輩?アンタ知り合いだったの?」


「うーん…それも後で説明する」


そうだ、真姫には奈未ちゃんの誤解の話はしたけど、なにも説明してないんだった。


あぁぁ~…、なんでこんなことに。


とりあえず早くドーナツを買って屋上に行こう。


< 111 / 140 >

この作品をシェア

pagetop